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あれ、打ち間違ってる?

打ち間違いだとわかる箇所は、間違っていること・本当のことの両方が伝わっているものだと思います。適宜読み替えて読んでください。間違いに気づかない人は、どうぞそのままお読みください。

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2008年11月29日(土曜日)

オタクの人と電話をしたはなし

カテゴリー: - etupirka @ 19時15分36秒

今朝、オタクの人と電話をした。起こしてくれたら1000円払いますというからだ。そんなものもらうつもりはなかったが、誠意をくみ取り、電話番号を聞いて、指定された時間にかけた。
その人がどうオタクなのかは、Amazonで買ったオタクグッズの写真をFlickrに淡々とあげているのを見て知っているつもりだし、過去のweb上の発言を見てもそれはよくわかる。

* n*****: オシャレな店の地図がオシャレ過ぎて結局のところどこに行けばいいのかまったくわからない。
* kis*********: @n***** 自分の第六感であるオシャレ感を信じて、オシャレっぽい方向に進めばオシャレな店に着くよ。
* n*****: @kis********* しまむらにたどり着くという結果が!!!
* etupirka: @n***** ところで女装がよくお似合いだと聞きましたが
* n*****: @etupirka 女装して通勤してるから毎朝のようにまさぐられます!!!

太字がオタク氏の発言である。

わたしは女装の似合う氏の姿と氏の所有する抱き枕を想像し、期待して指定された時間の5分強前にかけた。相手の心の準備が出来る前に不意打ちをかけたかったからだ。

3回かけた。氏はでない。
仕方ないので指定された時間に目覚ましがセットされているのを期待して、少し待ってかけ直した。2回目、5コールくらいで出た。

* n*****: おはようございます。
* etupirka: おはようございます。 起きましたか?
* n*****: 起きました。ありがとうございます。
* etupirka: 寝起きですか?
* n*****: Pardon?
* etupirka: 寝起きですか?随分声がしっかりしてますが。
* n*****: はい、寝起きです。
* etupirka: そうですか。(ここらへんから笑いが堪えきれなくなってきた)
* n*****: etupirkaさんでいいんですよね?
* etupirka: いえ、ちがいます。(ちょっとからかってみたくなった)
* n*****: え、etupirkaさんでいいんですよね。
* etupirka: ちがいます。
* n*****: わかりました。
* etupirka: ところでこれからのご予定は?
* n*****: これからシャワーに入ってすっきりしたいと思います。
* etupirka: そうですか。
* n*****: はい。はい、
* etupirka: (笑)
* n*****: はい。本当にありがとうございました。
* etupirka: いいえ。
* n*****: はいはい、ありがとうございました。etupirkaさんでいいんですよね?
* etupirka: そうです。

通話時間は1分程度だ。理由はよく知らないがせかすように電話を切った氏から、通話直後にインターネットを介してお礼のメッセージが送られて来た。
その後、氏はインターネットに電話に関する過去のエピソードをいくつか吐き出していて、いつまでもシャワーを浴びようとしなかった。わたしとしてはモーニングコールを非日常のイベントとして楽しんでもらえたようで、嬉しい限りである。

日頃から「電話は苦手だ」というオタク氏が電話に出たことに、とても感動した。今まで私の隣りで氏に電話をした人が着信拒否にされていたことなどを見たことがあるからだ。
目覚めるまで電話を鳴らしてもらい、あとはインターネットに「起きましたからもう鳴らさないでください」と発言する、またはお得意の着信拒否攻撃(氏にとっては防御)をする、という選択肢もあった中、氏が電話に出た誠意には感動せざるを得ない。

会話が「おまえはだれだ」という質問とその受け答えに終始してしまったことや期待していた寝ぼけ声が聞けなかったのは残念ではあるが、とてもおもしろい経験であり、氏と今まで以上に親しくなれた貴重な時間だった。今回は氏に了承を取って2人の記念(ノロケともいう)としてこれを公開した。

最後に氏の人柄を象徴する名言(当然インターネット上のものである)を紹介して終わろう。

* n*****: 「わぁ。本物の童貞だ。触っていいですか。」「ええいさわるな。」

ありがとう。またお話しましょう。


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2008年11月7日(金曜日)

etupirkaの退屈な日常

カテゴリー: - etupirka @ 00時52分01秒

大切な人を失ってから、私は大好きだった写真を撮ることも忘れ、何も手に着かない、退屈な日常を過ごしている。
楽器を手に取っても、何度も聞いたリズムや音程をリピートしてみては、すぐに飽きて放り出してしまう。新しい絵筆を買って来て手にしても、筆先についたノリがバリバリしすぎて、直線も書けずに途方に暮れたりする。100円均一の安物だからだ。

こう話すと、友人たちは私の家を訪れエロ本を差し入れてくれたりするのだが、丁重にお断りすることにしている。入院生活をしているわけではなので。
何たって、ここにはイタズラ好きでちょっぴり好色の看護婦さんもいない。いつも病院の中庭で出会い、いつも病院の寝間着にカーディガンを羽織り、いつも物憂げで虚ろな、私なんかより数倍も大人の目をした美少女もベンチに座ってはいない。甲斐々々しく世話をしようとする妻もいなければ、照れ隠しにその妻をわざと邪険に扱ったり、気恥ずかしさを紛らわすために同じ病室の仲間にわざと妻のことを悪く言ったりする私もいなければ、幼稚な私の本心には気づかず、慣れない看病に疲れ、私の無考慮な行為に悲しみ、月明かりの下で1人さめざめと泣く妻もいないのだから。

秋の夜長。何もすることを思いつかずぼーと過ごしてると、頑なに断ったにも関わらず部屋の隅に放置されたエロ本が目についたりする。
読むべき本は山となっているが、こういうとき、読むべきでない本は私の心にあいた穴にを疼かせ、ぴゅーぴゅーとすきま風を送り込んでくる。不思議なものである。
本を手に取り、中をじっくりと読む。時間をかけて、じっくりと読む。そう、私は写真家だ。低俗で下品、卑劣で不潔な猥褻写真がとはいえ、それは写真だ。そこに写真がある限り、読むしかない。だから、読む。
ピントやレンズ特有のボケの甘さ、そして構図を確かめたり、アラレもないポーズをとらされたモデルと、モデルの顔(たいていあまり美しくはない)を交互に見比べカメラマンの心情を想像したり、トリミングされ見開きに立体的に配置された数枚の写真を眺め、写真をセレクトしたデザイナーの思考をトレースしたりする。ふむ、顔面のどあっぷは使えないよな、ええ使っちゃったのかよ、など頭の中でつぶやきつつ飽きない単調な時間が続くが、そこからは何の幸福感も得られない、つまらない時間だった。自分が下品な生き物に成り下がってしまったような感覚に捕らわれ気持ち悪くなり、シャワーからの温かい湯を浴びた。いつまでもそうしていた。

あとになって気づいたが、友人たちが持ってきた本には、素人の女性が金を引き替えに肉体を晒し、そうやって撮られた写真ばかりが掲載されていた。
数あるその手の本のなかには、恋人や長年連れ添ったパートナーたちの愛の行為が記録された写真が並ぶものもあるという。今の私の状態でそういった写真を目にしていたらどんなに辛い気持ちになっていたか、想像を絶する。
広い世間ではそういった本を買う男がいるわけで(そうでなければとっくに絶版・廃刊になっているだろう)、さぞ隠れマゾ男が多いのだろうと想像する。
また、ある人は訳知り顔で「そうよ、だからその男は振られたのよ」と言うかもしれない。結構なことである。

休日。「さあ休みだ」「自由にしていいぞ」と言われても私は「はてあの人に出会う前の休みはどのように過ごしていたのだっけか」と過去を思い巡らすばかりで何もしないまま1日が終わってしまう。
ついちょっと前までは、どこかで知り合ったかも思い出せないような女性たちとの悪い遊びあれほど楽しかったのに、今では何をしても虚しいばかりで、遊び友達から思われるメールも電話もすべて無視している。どうせ待っている相手からのメールは届かないのだから。そう思うほど、つい最近の出来事すら、実際よりずっと過去のことのように感じられ、取り返しのつかないことをしてしまった自分を責めて時間が過ぎゆく。

気まぐれで散歩に出かけても、どこに行っても過去の思い出がちらつくばかりでまったく楽しくなく、新しく開店した外資本のスーパーで、つまらなさそうに牛肉のうまいところだけを選んで包んでもらい、ホットプレートを引っ張り出してきて、友人を集め、酒を飲みながらわいわい焼き肉をしたりする。
カルビ、肩ロース、カブリ、サガリ、牛タン、ホルモン。買ってきたばかりのタレと焼き肉タレや業務用品店で買い求めた珍しい胡椒、イスラエルの名もない塩湖でとれた塩などをつけながら、リビングに立ち上る煙を気にもせず、どんどん焼く。有機野菜だか無農薬野菜だかよく知らないがそれも申し訳程度に焼いた。
ある者は焼肉屋でのバイト経験を生かし卵スープつくりみんなに振る舞って喝采を浴びた。ある者は風邪をひいていたことを忘れ ―肉がすべて焼き上がるまで1度もセキをしなかった― 肉から滴る油に見つめ頬を緩ませた。ある者は米の飯を食らうことも忘れ次々に焼き上がる肉を食べた。またある者は「あかちょうちん、神田川」と意味不明なことを呟き、雨が続くと仕事もせずにキャベツばかりを食べていた。

そんな暮らしがおかしくて遠い貴女の横顔思い浮かべていた折、一通の手紙が届いた。
それは祖国からの手紙だった。

 「お父上様が亡くなられました。あなたはすぐに王位を継ぎ載冠式に出席しなければなりません。至急、迎えの者が参上します」

私は手紙を見るや否や愕然として、怒り狂った。
月から手紙を届けた何者かがそのまま引き返さずに私を連れていけば2度手間を防げたかもしれないのに。月とて最近の不景気は他人事ではない。一国の早く帰国して、責任者を打ち首にする必要がある。

事情を爺に説明すると、爺は宮廷に早馬を走らせ、私を警護する準備をとらせた。頼んでいないのに、無駄なことを・・・。また私のせいで、罪もない人が命を落とすことになる。たくさんの人が死んだ。もう私のために、私を人殺しにしてくれなくてもいいのに。
私の願いは聞き入られず、暇つぶしに例の責任者を見つけ出し打ち首にして遊んでいると祖国からの船がついた。

光がすべてを包み込む。
瞬きがほんの2,3回。

気づいてときには、すべてが消えていた。地球で私を大切にみんな、もういない。そう思うと地球への未練も不思議と断ち消えた。
最後にと句を詠み、地球に別れを告げる。

 白銀も黄金も玉も何せむに 兵どもが夢の跡

月に帰った私は、今度は王として、また変わりのない退屈な日常を送っている。


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プロフィール
1940年11月29日、東京都葛飾区柴又に生まれ、16才で家出し、20年後に腹違いの妹が暮らす故郷に帰って来た寅さんの本名は寅次郎である。
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