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あれ、打ち間違ってる?

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2007年10月8日(月曜日)

ごめんね、カナ

カテゴリー: - etupirka @ 03時16分28秒

なんでカナにもっと優しくしてやれなかったのだろう。
僕はカナにすべてを教えてもらった。

最後の時間、カナは何も言わずに僕の部屋を出て行った。
そう、あなたはいつもそうやって、僕の知らない間に出て行く。
その日も、カナは僕が寝ていたり、テレビを見たり、目を離している隙に出て行ってしまったのだろう。
カナは夜までに必ず帰ってくる。だから僕は鍵をかけない。いつでもカナが入れるように。
いつも通りのこと。そこまで、いつも通りだった。違うのは、カナが二度とここへ帰って来なかったこと。

いなくなる前の晩前の日。僕はカナに聞いた。
お腹が空いた?眠い?疲れてる?
カナは何も答えず、自分のベッドへ消えた。
最近のカナの態度が違うことには、うすうす感づいてはいた。どことなく僕に余所々々しい
僕の問いかけに一切反応してくれなくなったし、どこにも行かず、ずっとベッドから出ない日もあった。
カナがどこにも出かけない日なんて、僕がカナと会ってから1日も無かったのに。

カナはもうここにはいない。
もっとはやく、カナの異変に気づいてあげられれば、あるいは・・・・・・。
今さら考えたところで、どうしようもないこと。

カナのことを忘れることは出来ない。
忘れたくない。
カナは、僕にとって唯一の存在だった。代わりなんて存在しない。
カナが好きだった。自分以外の生き物をこんなに好きになれたのは、初めてのことだった。

ベッドに入るときが、1番辛い。
カナの匂いや、温もり、さわり心地の良い背中に、触られると嫌がる肉球、すべてが好きだった。

今日、ペットショップでカナに似た猫を見つけた。
僕はこの猫が1目で気に入った。カナの生まれ変わりだと思ったからだ。
カナが消えて、この子が生まれたのだ。
そう思った僕は、すぐに店員を呼んで猫を譲ってもらうことした。
店員の話を聞いている最中に僕は気づいた。
この猫はカナじゃない。だのに、僕のこの子の中にカナを見いだそうとしている。
カゴから出し、後はお金を払うだけまでになっていたのにも関わらず、僕はやっぱり断って、店を出た。
店員はこれ以上にないくらい嫌な顔をしていた。悪いことをしたと思う。
でも、僕にとってのカナは、カナでしかないんだ。

どうして猫は、死期を悟るとどこかに消えてしまうのだろう・・・。
カナはどこにも行かず、僕の傍で死んで欲しかった。最期まで、一緒に居たかった。

でも、カナはそんな死に方を望んでいなかったのかもしれない。
飼い主に屍を晒し、ペット霊園に埋葬されるなんて、彼女には耐えきれなかったのだろう。
だから、僕はそれ以上カナのことを追うのを諦めた。
カナの意思を尊重して、そっとしてあげようと思えるようになった。

さようなら、カナ。そしてありがとう。

おやすみなさい。


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プロフィール
1940年11月29日、東京都葛飾区柴又に生まれ、16才で家出し、20年後に腹違いの妹が暮らす故郷に帰って来た寅さんの本名は寅次郎である。